天野可淡『新版 KATAN DOLL』
【旧版との違いについて】 処女作品集『KATAN DOLL』と第二作品集『KATAN DOLL fantasm』の二冊は、天野可淡氏と吉田良一氏が直接作品の選択や構成にも携わっていたため、故人の制作意図に配慮し、新版でも基本的に旧版の写真構成と小型判ハードカバーの写真集を踏襲。 ただし、吉田氏と協議の上、旧版の四六判フォーマットでは写真のレイアウトが小さいことからA5判にサイズアップ。図版の拡大や写真の再現性の向上をはかるため、最新の印刷製版技術を活かした写真図版の新規スキャニングを選択。 吉田氏が保管するオリジナル・ポジが各巻数点逸失しており、残念ながら完全同一の写真構成は断念せざるをえなかったが、別カットを用意し、図版の増補頁を設けることで人形作品を多角的に鑑賞できるよう配慮。当時制作コストの面から頁数を64頁に抑えていた事実もあり(『fantasm』は74頁)、新版では各巻とも80頁に拡張。 天野可淡氏のエッセイはいずれも再録。また吉田氏には当時を振り返ったエッセイを2冊にわたるかたちで新たに寄稿していただいた。 デザインは天野氏のご遺族らの希望からミルキィ・イソベ氏を指名、新たな装幀を纏う。 【旧版『KATAN DOLL』(トレヴィル刊, 1989)】